森の子のこと
保育方針
保育への思い
かつて子どもたちはごく自然に、身近な自然の中で、たくさんの異なる年齢の子どもたちと時間を忘れて存分に遊んでいました。
綺麗に整備されているところはわずかしかなく、混沌とした中で遊び、その遊びの中でさまざまなことを学んでいました。
整備がされていないため、怪我をしないように遊ぶには注意力や環境にあった身のこなしが必要となります。また、友達と遊ぶにはコミュニケーションが必要ですし、折り合いをつけるということも必要です。
残念ながらそのような場所は社会の変化の中で失われてきています。
大人は、子どもたちが必要としている場所を子どもたちに返す必要があるのではないでしょうか。豊かな子どもの時間を守るために。
自然の中でたっぷりと遊ぶ
自然の中で遊ぶことは、
想像力を発揮し
自然のものを工夫する力、
自分で楽しみを
広げていく力を育みます。
自然の中でたっぷりと遊ぶことは、幼児にとって何より大切であると考えています。
森の中は運動場のように平坦な場所はなく、凸凹な地面、木の枝、草木があり、それが子どもたちにとっては遊具のように面白く、またそこで遊ぶことで必要な注意力と身のこなしが自然と身に付きます。
森にある土も、木の枝も、葉っぱも、木の実も、倒木もみんな子どもたちにとっては魅力的なもの。子どもたちはどんどんと面白い遊びを繰り広げていきます。
異年齢保育によってできる
小さな子ども社会が子どもたちを
大きく成長させます。
森の子では3歳〜就学前の異年齢の集団で過ごします。日々の遊びや生活の中で、楽しい、悲しい、悔しい、嬉しい、色々な感情がぶつかり合います。
一緒に笑ったり、喧嘩をしたり、泣いたり、仲直りをしたり。そんな中でこそ、他者への思いやりやコミュニケーション能力が育まれていきます。
異年齢の集団では、大きい子が小さい子のお世話をしたり、時には叱ったりします。逆に小さい子は、大きい子たちを憧れの眼差しで見つめ、ちょっと背伸びをすることもあり、逆に甘えたりすることもあります。
保育者は、子ども社会の場を大切にすることを基本とし、できる限り子どもたち自身で解決できるように見守ることを心がけています。もちろん必要な場合には声をかけます。
子どもの社会を大切にする
森での生活も大切に
森の子では、調理をしたり、畑仕事をしたり、焚き火をつけたり、田んぼ仕事をしたりといった生活も大切にすることを心がけています。
毎週火曜日は
野外調理の日です
お料理当番さんはお野菜を洗ったり、包丁で切ったりします。
年少さんはおっかなびっくりで、見守る大人も目を離せませんが、年長になると、慣れた手つきで包丁を使います。
ご飯を炊くのは年長さんの担当。
お米を研ぎ、手で水加減し、かまどに薪を並べ、マッチで火をつけます。
火を大きくしていくのはなかなか難しい。特に雨が続いた後は、薪も焚き付けの新聞紙も湿気がひどくなかなか火がつきません。
年度末になると年長さんだけの調理に挑戦。大人はよほどのことがない限りは口出ししません。
子どもたちだけの料理は見ていてとても面白い!
すったもんだの末に、なんとか出来上がった料理を、年長さんたちは誇らしげにお父さんお母さんにご馳走します。